戯言

安部公房の小説「他人の顔」に、性欲は、死が近づく程に逼迫していく願望であるとする記述があった。
成程、そう考えれば、先進国少子・高齢化の原因が簡単に理解できる。
つまり、先進国になるにつれ生活は豊かに、外から来る死からは確実に遠ざかっていく。それによって性の意識は相対的に減退していき、結婚率やら出生率やらが下がるという寸法である。
近年成人男子の精子が減っているとの研究結果もあることから、確かに人間の構造は元々そうなっていそうである。
"自然界は大体変化を嫌う"とは学校の名物物理教師の言*1であるが、もしかしたら生物の増減についても、これが言えるのではなかろうか。
個体が死にさらされる時代、すなわち個体数を減少させる外力が働く場合、増える方向に力が働き、
個体が安泰である時代、すなわち個体数を変動させる外力の無い場合、力は働かない。
増やす外力は無いか…。
何か書いてて自分でもちょっと違うような気がしてきたが、まぁええか。思いつきやし。

*1:電磁誘導の諸法則について説明するときに発言