河童のクゥと夏休み

公開よりかなり早くから、いらんくらいCMをやってて逆効果ちゃうかと思ってた作品やが、文句は見てから言おうと思って見てきた。
見終わったあとの感想としては、とにかく地味。でもいきなり侍が刀振り回したり、烏が破裂したり、龍が出てきたり、派手なところはあるんやけど何故か地味。多分展開が地味なせいやろう。表現として突き抜けたものも特に無く、殆どの人物に入れ込むような描写もない。ある意味見る人の力量を問うような作品かも。なんというか、マイナーな日本映画っぽいというか。
が、一点だけ例外があって、犬の「オッサン」(声:安原義人)が途中で殆ど主人公になって、昔語りとかしちゃったりする。いや、これは結構良かったけど。
あと、テーマがなかなか重い。人間の業みたいなものが随所にちりばめられてるんやが、これが解決を見ない。迫害する人とされる人という構図が一杯出てくるんやが、大体される人が全て受け入れて、自らが変わっていこうとする方向に進んでいく。よく考えると、それで解決すんのかな?と。その上筋道が付いた時点で作品が終わる。

とりあえずこれは子供向けではないやろうなぁ。長過ぎるし、終盤が地味過ぎる。俺が観に行ったときは龍が出てくるクライマックスのあたり(最悪のタイミング)から、子供が我慢できなくなったのか、数組が出たり入ったりしてかなり気になったが、子供の場合仕方ないかもしれん。それに教育上もどうなのか微妙。色々考えさせられる作品ではあるが、子供には無理があるような。

結論としては、大人が見て、人間の業の深さを感じるアニメです(多分)。