遠藤寛子「算法少女」

算法少女 (ちくま学芸文庫)
ちょっと気になったんで買って読んでみた。児童書やが、話としてはまぁまぁ面白い。江戸時代中期を舞台として、和算好きの少女がその時代としては珍しく和算で身を立てる話。児童書ながら、女性著者ならではの人間模様の生々しさがうっすら見えるのが興味深い。そうした中で「算法」の意味が語られていくが、生々しさのおかげで妙に説得力がある。こういう学問のビジョンを投げかける本は、結構好きやなぁ。